大阪高等裁判所 昭和55年(ネ)142号・昭53年(ネ)2180号 判決
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【判旨】
三民訴法一九八条二項の申立について
<証拠>によれば、被控訴人は、本件の仮執行宣言付判決に基づく強制執行として、昭和五三年一二月二六日控訴人の第三債務者富士信用金庫に対する別段預金債権(四四五二円)及び異議申立預託金返還債権(七〇〇万円)並びに第三債務者株式会社第一勧業銀行に対する別段預金債権(二〇万五二五三円)につき差押転付命令(大阪地方裁判所昭和五三年(ル)第四五九九号、同年(ヲ)第四九九一号)を得て執行したことが認められるところ、原判決が全部取消を免れないことは叙上のとおりであるから、原判決に付せられた仮執行宣言はその効力を失うこととなる。したがつて、右仮執行宣言付原判決に基き給付した金員の返還を求めるとともにこれに対する給付の翌日から返還済みまで民法所定年五分の割合による損害金の支払を求める控訴人の申立は、正当として認容すべきものである。
被控訴人は、右異議申立預託金の事実上の提供者が池原一郎であることを理由として、被控訴人に対する返還義務を争うけれども、被控訴人主張の右事由は、被控訴人が仮執行として給付を受けたものを控訴人に返還して原状回復をすべき義務になんら消長を及ぼすものではなく、そもそも、異議申立預金債権が控訴人の債権であるとしてこれにつき差押転付命令を得ておきながら、仮執行宣言が失効するや一転して右債権は控訴人に帰属するものではないと主張すること自体著しく信義に反する態度といわざるをえず、被控訴人の主張は採用の限りでない。
(大野千里 岩川清 島田禮介)